-------  基礎トレーニング  -------
Aメジャースケール


ただ単に、スナップの訓練と云っても、弦を押さえる指との合致(シンクロ)が無いと
やはり訓練とは云えません。また、ピッキングにもなりません。
そこで、スナップを意識すると共に、弦を押さえる指の訓練、
そして、リズムを考えた訓練を紹介致します。

これは、成毛さんのギター講座でもやっていたものです。
ギター講座では、リズムに関しては特に言及はしていませんでしたが、
ここでは、リズムも考えて訓練をしていきます。


Aメジャースケールの基本ポジションを下の図に示しましたが、
押さえる指も、基本的には、各弦、4フレットをひとさし指、5フレットを中指、
6フレットを薬指、7フレットを小指。とします。
フレーズによっては違う場合もありますが、まずこれが基本の押さえ方です。







エクササイズ(exercise)【1】

まず、はじめに、ドレミレドのパターンをやります。
これはスケールの音を2つ進んで2つ戻ると云うパターンです。

つまり、ドの音から始めるならレミと2つ進んで、レドと2つ戻る訳です。
6番線5フレット中指から始めて、スケールを順に上がっていきます。
(ドレミレ ドレミレ ドレミレド、 レミファミ レミファミ レミファミレ・・・)

そして、1番線での最後は、4フレットからシドレド シドレド シドレシドと弾きます。
(デモ動画でやっていますが、この方がフレーズとしておさまりが付きます)

続いて、1番線5フレット中指からドシラシ ドシラシ ドシラシドと今度はスケールを
逆に下がっていきます。(シラソラシ、ラソファソラ、ソファミファソ・・・)

そして、6番線の最後は、7フレットからレドシド レドシド レドシレドと終わります。
リズムとしては、下の譜面にもありますように、四分音符として弾いて下さい。


また、すべてのエクササイズにおいて指を鍛える訓練、その1として
押さえる指は、弾く音のみ押さえて、
あとは、弦から離して出来るだけ高く上げるようにして下さい。
(薬指は特に意識して、高く上げるようにして下さい)

つまり、ドレミレドのパターンの場合、ドの次にレを押さえたら
ドを押さえていた中指を弦から離すと云うことです。
しかも出来るだけ高く上げます。(鍛える訓練ですから、動きは大きく取ります)


--------------- 2009年10月5日 加筆 --------------

指を高く上げて訓練をしなさい。と云うと、必ず、そんな訓練をしたら、指がバタついて、
無駄な動きになってしまう!とおっしゃる方がいますが、それは、全くの「考え違い」です。
これは、「指を鍛える訓練」なのですから、まずは、それぞれの指が分離して動かせるようにすることが大切です。
だから、動きは大きく高く上げるのです。

そういう人は、「訓練」と「練習」を取り違えています。

それと、曲の練習や実演では、必要以上に高く上げることもありませんが、
別に高く指が上がっても、速弾きでも演奏がしっかり出来ていれば問題ない訳で、
その人にとっては、それが今必要な動き(無駄ではない動き)と云えます。

多くの日本人は、左脳思考のようで、そのせいか音楽から物事(技術)を考えずに、
技術から音楽を見てしまうので、時に本末転倒な議論が飛び出します。

このような訓練は、回り道のように思うかもしれませんが、優れた音楽家は、基礎の重要性を認識して
人知れず色んな地道な訓練をやっているものです。


----------------加筆 終わり---------------


続いて、指が、十分動くようになって来たら、弦を押さえる指の動きの訓練、その2として
今度は、ひとさし指は、弦を押さえたら次の弦移動まで押さえたままでこれらのパターンをやります。
(ひとさし指を押さえたままですと、意外とネックを挟む親指が鍛えられます)
他の指も、この、その2では、それほど高く上げなくても良い訳です。

多少、指がスムーズに動く人は、動きの訓練、その2でやってみて下さい。
(人それぞれ、各指、動きの得手不得手がありますから、苦手な動きは特にしっかりと訓練してください


それと、すべてのエクササイズにおいてピッキングは、オルタネイトで行います。

テンポは、初めは、ゆっくりと、スナップ、指の動きをしっかり意識して、
そして訓練を積むに従って、だんだんと速くしても、構いません。

あわてず、テンポ、そしてリズム、小節をしっかり感じて下さい。

手首は、軽く浮かせてピッキングをやります。(ブリッジに置かずミュートもしません)

また、訓練ですから訓練中、たとえ余計な弦が鳴ってもこれは気にしないで下さい。
(実際の演奏では、弦を押さえる指の方でミュートをしたり、
ブリッジでの手のひらのミュートだったりとか、余計な音が鳴らない工夫をします)

それでは、頑張って下さい。






エクササイズ(exercise)【2】

次に、スケールの音を3つ進んで3つ戻るパターンをやります。
ドの音からレミファと3つ進んで、ミレドと3つ戻ります。
(ドレミ ファミレ ドのパターン。)

リズムとしては、三連で、3つの音で一拍と感じて行います。
(一拍を3つに割るのではなく、3つの音で一拍になります)

三連ですから、一拍ごとに、ピッキングのダウン、アップが変わりますので、注意が必要です。
これも、6番線から1番線までやって、また逆に1番線から6番線に戻ります。

1番線からは、ドシラ ソラシ ドシラ ソラシ ドシラ ソラシ ドとなります。
色んな指使いが出てきますから、指の動きもしっかりと訓練して下さい。






エクササイズ(exercise)【3】

次に、音を加えて、ドレミファ ソファミレ ドのパターンで、八分音符になります。
1番線からは逆に、ドシラソ ファソラシ ドとなります。






エクササイズ(exercise)【4】

六連のパターンになります。
6つの音で一拍です。

最初は、ゆっくりとしたテンポで、きちんと6つの音で一拍と感じて下さい。
(6つの音を3つの音ふたつと感じても良いです)






エクササイズ(exercise)【5】

十六分音符として、弾いていきます。
二拍目のあたまと四拍目のあたまにアクセントをつけて小節の区切りを感じて弾きます。






エクササイズ(exercise)【6】

【1】の四分音符のドレミレドのパターンを八分音符のパターンとしてのリズム訓練。

同じ音の構成でも、リズムが違うことを感じて下さい。
四分音符と八分音符の違いは小節の区切りに感じて下さい。

この場合ビートで云うと、ツービートとフォービートの違いです。
【1】は四分のノリのツービート。【6】は八分のノリのフォービートになります。

音の長さは同じにしてやります。つまり、【1】をテンポ120だとすると、四分音符は0.5秒です。
そこで【6】はテンポ60にすれば四分音符は1秒ですから、八分音符は0.5秒になります。

鳴らす音が、同じ長さの時間であっても、四分と感じるか、八分と感じるかで、
リズムが違うことを自分の中でしっかりと感じて下さい。

ですから、【1】と【6】はリズムをしっかり感じていないと、全く同じに聴こえてしまいます。





これらは、普段のウォーミングアップとしても活用出来ます。

また、指のトレーニングとしては、この他クロマチックエクササイズなどもあって
色んなパターンで訓練する事も必要です。(ここでは、説明しませんが)


動作 1を習得するに従って、これらのエクササイズも十分こなせるようになってきます。
そうして、訓練を積んで、スナップを身に付けて下さい。


また、上達のため、アンプは真空管アンプを使って下さい。
オールチューブとは云いませんが、プリアンプ真空管のアンプを使用して下さい。


訓練における真空管アンプの重要性。 
(2009年10月5日 追記。)

真空管アンプとギターだけでエフェクト類は使わず、真空管アンプのスピーカーから出る音を聞いて、
ピッキングの動作を修正していくことが上達につながります。

たとえば、自分では、パチンとはじき飛ばしているつもりでも、ピックが一番線側に寝すぎていたりして、
はじき飛ばせていなければ、こもった音・抜けてない音として、如実に「スピーカーから出る音」に反映します。

それで、ピックをギターに対して垂直(90度)になるよう若干、手首を返してピッキングしたり、
自分でいろいろ工夫をすると、ある動作の時や力加減で、艶の有る抜けた音になることが必ずあります。

つまり、キチンとスナップが効いてパチンとはじき飛ばせれば、
艶の有る抜けた音がアンプのスピーカーから出ることになります。

これは、真空管アンプの特性と云えます。

俗に云う「ピッキングのニュアンス」うんぬんとかでは無く、
真空管アンプの特性によるスピーカーから出る「生の音」が重要なのです。

速弾きでもスナップが効いてパチンとはじき飛ばせれば、艶の有る抜けた音になりますし、
そうでなければ、イモな音にしかなりません。(これは、はっきり分かります!そういう耳も養ってください。)

また、演奏を録音して、冷静に判断することも重要なポイントです。

そして、艶の有る抜けた音になるその動作を続けて訓練して、習得するように練習するのです。
ですから、ピッキングの動作の見極め・上達に、初心者(ピッキングが出来ない人)ほど真空管アンプが必要になります。


トランジスタアンプで、真空管アンプの音色を忠実に再現したエフェクター類を使っても、
音は真空管アンプの音色であってもエフェクター自体に「真空管アンプの特性」があるわけでは無いので、
ヘタなピッキングの速弾きでも、音は真空管アンプの音色なので、
なんだかスナップが効いたピッキングが出来ているような錯覚をしてしまいます。

それでは、本当の上達は見込めません。

いつもトランジスタアンプにエフェクターをいくつも繋いで練習していて、速弾き等、自慢げに弾いてる人が、
真空管アンプの、シールド一本だと、途端にピッキングがグズグズになる人は意外と多いのです。

これは、いつものピッキングなのに、スピーカーから出る「生の音」があまりにもセコイ音なので、
その音を聞くことで、どうピッキングして良いか混乱するようです。(要するにヘタなピッキングを自覚するのです。)

つまり、ちゃんとしたピッキングが身に付いていないわけです。真空管アンプで艶の有る抜けた音になるような
ピッキングが身に付けば、トランジスタアンプを使ってもピッキングが混乱することはありません。

(ただ、トランジスタアンプでは音色、ハーモニックの出方等、色々不満はありますが・・・。)

真空管アンプの音色を忠実に再現したエフェクター類は、自宅録音の時には便利ですが、
こと、ピッキングの練習・上達のためには、以上の理由から、真空管アンプを使うことをお勧めします。




---------------------- ロックギター ぱく船長 ------------------------


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